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【地方競馬コラム】“努力の男”元厩務員のオールドルーキー西優哉

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5月19日、大井3R・コトブキエースに騎乗し、初勝利を挙げた西優哉
 今年、地方競馬から騎手免許を取得した新人は10人。その中にただ一人、異色の経歴の持ち主がいる。通常は栃木県那須塩原市にある地方競馬教養センターを卒業後、晴れて騎手デビューとなるが、大井・沢厩舎所属の西優哉は厩務員から転身してきた。

 26歳のオールドルーキーは19日、大井3Rでコトブキエース(牡6=渡部則)に騎乗。58戦目でキャリア初勝利をつかんだ。西優は「ここまで頑張って勝つことができたので本当にうれしかった」と頬を緩ませた。

 騎手への道は楽なものではなかった。16年4月に第96期騎手候補生として教養センターに入所。しかし、減量に苦しみ18年12月のデビュー直前に同センターを退所した。牧場勤務を経て厩務員として働く中、騎手への思いが再燃。「もう駄目なのかなと思ったことは何度もあった。それでも諦め切れなかった」と不屈の精神を持ち続け、6度目の地方競馬騎手試験で念願の合格を手にした。

 西優は騎手としてデビュー前、南関の名手2人に技術や心構えについて相談を重ねた。その努力の男に対し、地方通算3000勝を達成している矢野が「ここまで努力したのは本当に凄いこと。何度挫折しても、はい上がってきたわけだから人として素晴らしい。経験値が違うなとは感じている」と言えば、昨年初の地方全国リーディングに輝いた笹川も「技術は後からついてくる。勤勉で人や馬の悪口を言わない性格。人として見習う部分が多い」と実直な人間性を称賛する。

 「自分にしかない引き出しがある。いろんな角度から馬のことを見られるのが強み。丁寧にレースをしてたくさん勝っていける騎手になりたい」。まだ走り始めたばかり。遅咲きのルーキーは新しい騎手像をつくり上げ、自らの道を歩み続ける。(面来 陽介)
(C)スポーツニッポン